SOETE ブランドメッセージ

 
「思いを添えて ~全ての創作は思いから始まります。~」

 
 

SOETE ブランドコンセプト

 
 SOETEのミッション、それは、SOETEの作品を手にする方に心の安らぎ、勇気、幸せをもたらす作品をご提供することです。
 このミッションを実現するためSOETEでは、作品に込める思いをとても大切にしていきます。
 SOETEのものづくりは、作り手と一緒になって作品に込める思いを育てることから始めます。そしてその思いを基に、デザインについて試作を交え話し合いにより決定し、ようやく作品づくりをスタートさせます。
 更にSOETEは、込められた思いを作品を手に取る方がしっかり共有できるように、その思いを言葉にして文章に綴り作品に添えるように致します。
 このようにSOETEは、単に作品を作るだけではなく、作品に込める思いも大切にし、その思いをしっかり言葉にして作品に添えることでブランドミッションを実現していきます。
 SOETEの作品を手に取っていただく方と作品に込めた思いを共有することができれば幸いです。
 

作品に込めるSOETEの思いの深層に流れているもの

 
 作品に込めるSOETEの思いの深層に流れているもの、それは宇宙(universe)の営みです。宇宙とは、時間と空間の全て、つまり森羅万象全てを表す言葉。全ては138億年前、宇宙が誕生したことにより生れた様々な物資から始まります。それらの物質が広大な宇宙空間で時間の経過とともに様々な形に変化する中で天の川銀河が生れ、そして天の川銀河の端に地球を含む8個の惑星を持つ太陽系が形成され、更に地球上には原始生命が誕生し、そして今地球上に私たち人間や様々な命が育まれているのです。つまり地球上の生命は、宇宙そのものであり、138億年の旅をして今ここに命を燃やしていると言えるのです。
 SOETEの作品に込められている思いの深層部分では、常にこの母なる宇宙の営みの途切れない時間の流れが存在しているのです。
 SOETEは、全てを内包する宇宙の摂理を起点として、宇宙が誕生して地球が奇跡的に手に入れた環境、そしてその中で命を燃やす人間や動植物等の生き物たち、そして宇宙そのものをテーマにして作品に込める思いを紡ぎ出していきます。
 

絵をつけるということ
 ~テーブルウェア・フェスティバルに出展するにあたって~

 

はじめに
 テーブルウエアフェスティバル2017に商品を出品するにあたり、ずっと考えていたことがあります。それは、「どうして器物に絵をつけるのだろうか?」という自分に対する問いについてです。
 私はこの自分に対しての問いを自分なりに解決しないと出品する商品の準備に取り掛かることができないと感じていましたが、ようやく私なりにぼんやりですがその解を見出すことができました。頭の中でたどった思考の道筋を文章に表現するのは難しく、書き上げたメッセージは稚拙な言葉の羅列になってしまいましたが、自分が先に進むためにも、ここに私の思いを発表させていただくことにしました。

進化を止めた日本文化
 「どうして器物に絵をつけるのだろうか?」という問いをなぜ自分に課したのか? それは、食器やインテリア小物類等の塗物には日本の伝統的な絵柄がつけられていますが、近年は装飾のない無地でシンプルなデザインが好まれているように感じているからです。別な見方をすれば多くの消費者が「塗物に絵(模様)は必要ない」と感じているということです。
私は、このような状況に陥った原因が、つけられている絵にあると考えています。これを説明するには、日本文化がたどった歴史からお話をする必要があります。
 シルクロードの終着地である日本の文化は、古くから様々な異国の文化を吸収、昇華して独自の進化を続け、江戸時代にはその当時最先端の華麗な日本文化が花開きました。しかし明治維新後、一気に西洋文化が流入し、一方で日本文化はその進化を止め最先端の文化から、いつの間にか伝統文化という言葉で表現されるようになりました。伝統とは「過去から引き継いでいるもの」という意味であり、その言葉の通り日本文化は「進化させていくもの」から「引き継いで守るべきもの」へと変ってしまったのです。
 このような状況に陥った原因は、文明開化により西洋文化が崇拝され日本文化が遅れたものとみなされていたという理由の他に、江戸幕府崩壊により幕府や町民という文化の後ろ盾が消滅してしまったことも理由に挙げることができます。

ものづくりする側の責任
 明治以降、伝統的な日本の装飾は、進化を止めたままの形で、伝統的な絵柄として様々な場面で利用されており、今でも日常の生活で良く見ることができます。日本人は今も昔も日本の装飾に親しみを持って接していることに変わりはありません。
 しかし、江戸文化が途絶えてから150年余りの間、標本化された伝統的な絵柄は、その込められた意味も忘れられ単なる模様として使用され消費され続けたことで、現代の日本人は、その歴史的価値は理解しながらも、巷にあふれる伝統的な日本の装飾が陳腐なものに感じ飽きてしまっているのではないかと、私は推察しています。
 これは、日本の伝統的絵柄がダメということではなく、標本状態のまま使用され続けていることが問題なのであり、もし進化を続けていたのであれば、今も日本人に新鮮な感動を与えるものであったのではないかと確信しています。

「絵をつける」という仕事
 そもそも「絵をつける」行為にはどのような意味があるのでしょうか。先ず「絵を描く」ということを、より上位の概念である仕事(職業)として捉えてみたいと思います。
 私は、「仕事とは自分以外の人に喜んでもらうための行為である」と考えております。仕事の起源が、貨幣経済が始まる前の物々交換であることを思い起こせば、仕事には必ず相手が必要であり、相手を満足させることが自分の満足にも即つながるということが理解できると思います。現在は「お金」の介在により、本来の意義が隠れてしまっていますが、この仕事という行為の本来の意義を見つめ直すことができれば、「絵をつける」ということが何なのか、何をしなければならないかを理解できるのではないでしょうか。
 困っている人、悩んでいる人、必要なものを求めている人のためにあるのが仕事であり、それは仕事が社会に存在できる唯一の理由でもあります。今改めて「絵を付ける」仕事が、自己完結(満足)に陥ることなく社会で必要とされる仕事になるにはどのようにしたらよいかを真剣に考え行動していかなければならないと思うのです。

「歌の力」
 「絵を付ける」ことが社会の中で必要とされるには、どうしたら良いのか。私は「歌の力」にヒントがあるのではないかと思います。「人はどうして歌に感動するのか?」という問いに対する解を導き出せれば、絵に潜む力を引き出すことが出来るのではないかと考えました。
 歌は歌詞とメロディーから構成され、それを演奏する人がいてはじめて楽しむことができます。この3者が三位一体となって歌の力となり聴く人を感動させるのですが、3つの構成要素のうち一番重要な要素は歌詞だと思うのです。歌詞とはテキストのことであり、つまりそれは言葉なのです。言葉がつながり詩になり文章になるのです。
 それではなぜ歌詞があるのでしょうか。それは歌の作者が、何かの思い、つまりメッセージを言葉で伝えたいからであり、聴いた人がそのメッセージに共感してもらいたいからです。そして実際にそのメッセージに共感した聴衆は感動するのです。歌手や歌の作者は、聴衆が共感したことで自分も喜びを感じるのです。このような心の双方向の共鳴があってこそ歌が社会に認められるのです。つまりこれが「歌の力」なのです。そして、歌詞に込められたメッセージこそ、「歌の力」の源であると思います。

「絵の力」
 それでは絵の力とはなんでしょうか。私は絵に込められたメッセージだと思うのです。現代の塗物につけられている絵には圧倒的にメッセージが足りません。込められているのはイメージに対する期待だけです。例えば、かわいいと思ってもらいたい、綺麗と思ってもらいたい、かっこいいと思ってもらいたい、という期待です。しかしイメージは「絵の力」の源にはなりません。歌で言うところのメロディーです。やはり見た人の心に刺さるメッセージをしっかり絵に込める必要があると思うのです。
 それでは、絵に込めるメッセージをまとめたとしましょう。しかし、絵は通常、テキストを表現手段に持ちませんので、歌のように絵の中でメッセージを伝えることができません。
 私は、メッセージを言葉にして、綴った文章なり語った映像なりを絵(をつけた塗物)に添えることではじめて相手に思いが伝わるのではないかと考えます。語らなくても絵を見て分かる人は分かる、あとは見る人がどう判断するかは見る人にまかせる、という考え方もありますが、これはある意味自己満足の世界に浸っている状態であり、その絵が社会性のあるものになるには、自分でなくても誰かがその絵についてしっかりメッセージを外に向かって語る必要があります。この場合でも作者がまずはしっかりメッセージを持つことが大事であることに変りはありません。
 江戸時代まで文化の経済的バックボーンは武士や大名そして商家でした。しかし明治維新でそうした階級は消滅し、やがて階級制度自体も無くなりました。現代では一般の生活者が文化の担い手であります。ですから一般の生活者の心に届くメッセージを絵に込めなければなりません。権力を誇示する道具としてではなく、人間であれば誰もが感じることができる心の琴線に触れるメッセージを込めて絵を描きたいと思うのです。

漆で描く
 日本は世界で唯一漆を使った絵付けの技術を進化させてきた国です。漆に関わっている私、そして職人たちが、この時代に自分たちができることとしてやるべきことは、漆と言葉を使って今を生きる人々の心にメッセージを伝え、共感をしてもらい、ささやかであっても幸せを感じて人生を送ってもらうお手伝いをすることです。
 歌のメッセージが人間の心に沁み込んでいくように、絵も人間の心を揺さぶり、共感を得られるようにしなければなりません。

おわりに ~ KOKIAさんの「歌う人」~
絵について考えている時、KOKIAさんの「歌う人」という歌に出会いました。感動しました。歌う表現者として生きる決意を綴った歌詞、その思いを歌うKOKIAさんの魂の声は、絵について悩んでいた私の背中を押してくれました。「絵を描く人」の側にいる私にとってパートナーとなる漆絵付け職人とこの思いを共有できたらと願っています。

 
 
 

<お問合せ先>
太陽漆器株式会社
〒965-0044
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TEL:0242-28-1144
※SOETEは太陽漆器株式会社の登録商標です。
※SOETEブランドの情報は随時お知らせしていきます。
※更新:2017.6.22